家庭用の洗濯機での水洗いは、プロからすると常温かつ短時間のため、
洗剤だけでは汚れが落ちきらない場合があります。ですので漂白剤も活用していただくのがよいでしょう。

今回は漂白剤の使い方について、注意点とともに、イチオシの使い方をご紹介いたします。

漂白剤は塩素系酸素系の2種類があります。これは品質表示の部分で確認してくださいね。
それぞれの注意点をお伝えしていきます。

塩素系 〜色だけでなく素材に注意!〜

塩素系の漂白剤は、キッチンで使う「ハイター」でもおなじみですね。

ずばり、「白いものをより白く」が塩素系漂白です。
そして、塩素系漂白は、色・柄物には適しません。
ここまではご存知の方も多いはず。
塩素系漂白剤では、素材にも注意が必要です。
塩素系漂白で黄ばんでしまった、という経験のある方、
もしかしたら素材のせいかもしれません。

塩素系漂白剤を使用できるのは、
綿・麻・ポリエステル・アクリルです。

塩素系漂白剤を使用できないのは、
ウール、シルク、ナイロン です。
この素材は染色が色むらを起こし、
白いものでも黄色くなってしまいます。

上記の条件をクリアしていれば、
「白をより白くする」ためにお使いいただければと思います。
水洗いのお話でも水の温度について触れていましたが、塩素系漂白剤は、
温度が低くても効果が出るのがポイントです。

酸素系 〜洗剤に足すだけ、は気休め⁉︎〜

色柄物にも対応できるのが酸素系漂白剤です。
使用できないものは、「水洗いできない」もの。
塩素系漂白剤に比べて、幅広く使うことができます。

酸素系漂白剤は粉末タイプと液体タイプがありますが、じつは全く異なるものです。
後述する汚れ落ちの観点から、洗濯で使用する際は粉末タイプをおすすめしますが、
粉末タイプはウール、シルクに対応できないので、そこはご注意くださいね。

さて、酸素系漂白剤は、「洗剤といっしょに入れてください」といった使用方法が
表記されていることが多いです。
しかし5分〜10分の常温洗濯に酸素系漂白剤を足したところで、
気休め程度の効果しかない
、というのがプロから見た正直な見解です。

プロはどうする?酸素系漂白剤の使い方

酸素系漂白剤の粉末は汚れ落ちのピークが水温50度のときです。
ですので、クリーニング店では酸素系漂白剤の効果を得られるよう、水の温度を高くします。

しかし水温を上げられない衣類もたくさんあります。
その場合はどうするか。ここがご家庭でも是非試していただきたいポイントです。

バケツや洗濯機に水を溜め、酸素系漂白剤の粉末を攪拌し、
2〜3時間つけこみます。
そうすると圧倒的に汚れ落ちするのです。
そこへ通常洗剤を投下し、洗います。全然違います。本当に綺麗になりますよ!

洗濯機での通常時間の洗濯に酸素系漂白剤の粉末を足すだけでは、
シミ・汚れを抜くという点で期待できません

そもそもシミを落とすのは手間と時間がかかるものですし、家庭で行うにはリスクが伴うものです。

家庭の水洗いでシミが落ちなかった段階で、クリーニング店にお持ちいただければと思います。
その際、持ち込むまでに衣類にどのようなことをしたか、といった事情もお知らせいただけると
その後の対応がしやすく、クリーニング店はとても助かります

さいごに

ご家庭では液体の塩素系、粉末タイプの酸素系を特にお使いいただくのが良いと思います。
塩素系は色落ちや色むらのリスクがあり、家庭ではあまりおすすめできませんが、
粉末タイプの酸素系漂白剤は、使い方によってはプロ並みのシミ除去・汚れ落ちが期待できます。

前回の水洗いにつづき、漂白剤を使ったご家庭での洗濯についてお伝えしました。
よければお子様と一緒に夏休みの研究として洗濯をしてみてください。
温度によってどう汚れ落ちが変わるか、漂白剤を使うとどう汚れが落ちるのか?
もしかしたら新しい発見があるかもしれません。