「気に入っていた服が気づいたらすぐに色あせてしまって、泣く泣く処分した」
という経験はありませんか?
今回は衣類の脱色について、基本的な原因に加え、見落としがちな原因をご紹介します。
色あせの原因を避けて、大事なお洋服をより長持ちさせましょう!
基本的な脱色の原因3点
衣類の脱色で考えられる原因は大きく分けて次の三つです。
1.太陽光線の紫外線による脱色
2.室内の紫外線による脱色
3.ストーブ等ガスによる脱色
太陽光線が当たっている下で服を着ているとき、既に脱色は始まっている、と考えて正しいです。
また、室内の蛍光灯によっても衣類の脱色は進行します。
もし室内に服をかけっぱなしにしてずっと置いてあった場合、
前面が室内向き、後面が壁側すると、前面と後面の色の違いがくっきりと分かるほどの脱色に繋がります。
素材として特に脱色しやすいのは綿です。綿の中でも黒や濃い色になると、
脱色による色の違いがくっきり出てしまいます。
着用されない場合は、クローゼットなどの中にしまって室内の蛍光灯から守っていただくと、大きな予防につながります。
3つ目の原因は、ストーブなどが燃焼する際に発生するガスが、
服の染料と反応して変色・退色を起こしてしまうケースです。
ストーブの近くには衣類を置かないようにしなければいけません。
外干しは気持ちがいいけど、洗濯表示を見ると…?
洗濯物を洗って、よく乾くからといって夏など日差しの強い時に外に干すことがあるかもしれません。
確かによく乾きますよね。
温度が高く、風もあるときは洗濯をするのに嬉しくなるような状況だと思うのですが、
やはり乾燥している時でも脱色は進んでいます。
洗濯表示を見ると日陰に干した方がいい衣類は意外と多いのです。
ではどういう衣類で気を付ければよいのでしょうか。
染色の強さ(色落ちのしにくさ)を染色堅ろう度というのですが、
これは我々プロでも洗ってみないと強いか弱いかわからないものなのです。
ですから、一般の方には色落ちのしにくさを見分けるのは難しいと思います。
ですので、判断基準としては、
鮮やかに染色された衣類は日に当てず、風通しの良い日陰で干すというのがおすすめです。
どうしても日光に当てて殺菌ができるからそちらがいいんじゃないかという方は、
裏返しにして干すことで脱色のリスクを小さくできます。
見落としがちな脱色の原因って?
ここまでお話ししてきた脱色の原因とは別に、もうひとつ、
我々がよく見る中でも消費者の方が見落としやすい脱色の原因があります。
それが車のシートベルトによる摩擦です。これが結構多いのです。
車に乗らない方でも、ショルダーバッグのような肩からさげるバッグで、
肩の部分が擦られて脱色する、ということがあります。
特に、先ほども申し上げたように、綿、麻は非常に脱色しやすい素材ですので、
車の中でシートベルトをされる時は、上着なら脱いでいただき、
ベルトが当たるところにハンカチなどをあてて、擦らないようにする工夫が必要です。
みなさんに一番わかっていただきたいのは、基本的に着ているだけで色はどんどん落ちているのです。
摩擦を与えたところは擦れて脱色が進みます。
シートベルトだけではなく、デスクワークが多い場合は肘部分の擦れも要注意です。
ポリエステルは比較的脱色しにくいので、その場合はあまり気にしなくてもいいと思いますが、
綿・麻・ウールのお洋服はこれまでお伝えした点に気をつけていただき、長く着ていただければと思います。
まとめ
綿・麻・ウール素材の衣類は特に注意!
次の「色あせ原因」を避けて、お気に入りの衣類を長持ちさせましょう
● 紫外線にあたることで退色が進む。
・洗濯の外干しでは、鮮やかに染色された衣類は日に当てず、風通しの良いところで干す。
・日光に当てたいときは裏返しにして干すと、リスクを減らせる。
・蛍光灯の光でも色が抜けてしまうので、着ない時はクローゼットへ。
●ストーブの近くで衣類を保管しない。
●摩擦に注意!
・よくあるのはシートベルト、ショルダーバッグ、デスクワークの方は肘の部分など。
・シートベルトは間にハンカチなど当てて、擦らないようにするのも◯。